☆彗星 ってなに?
私たちの太陽系には、太陽を中心に惑星などがありますが、他にも惑星よりずっと小さなたくさんの天体も太陽を周っています。彗星もそのような小天体の仲間で、主に氷や塵でできた「汚れた雪玉」のような天体です。ほとんどの彗星は太陽系の遠いところからやってきて、 毎年のように、新しい彗星が発見されていますが、そのほとんどは暗くて、望遠鏡を使わないとみられません。数年~十年に一度程度、特に大きな彗星が地球に近づくと、肉眼でも尾を引くように見えるため 「ほうき星」 とも呼ばれます。
☆紫金山・アトラス彗星(C/2023 A3)
紫金山・アトラス彗星は、2023年1~2月に紫金山天文台(中国)とアトラス望遠鏡(南アフリカ)によって発見された新彗星です。太陽系のはるか遠方からやってきて、太陽に接近するのは初めてと考えられています。本年9月28日に太陽に最も接近(0.39au※)し、10月13日に地球に最も接近(0.47au)します。
初めてやってくる彗星の明るさを予測することは難しく、-1.5等~5等のかなり幅を持った明るさが推定されており、最も明るくなった場合は、1等星の10倍もの明るさの大彗星となる可能性があります。地球との位置関係も良く、地球に最接近する10月中旬には、日本など北半球で夕空に長く尾をひく「ほうき星」を見られるかもしれません。もし、このような大彗星に成長すると、北半球では 1997年のヘール・ボップ彗星以来27年ぶりとなります。
※ 1au は、[太陽-地球]の距離=約15,000万km (astronomical unit : 天文単位)
☆彗星の位置と観察の方法
紫金山・アトラス彗星は、9月末まで日本では観察の難しい位置にありますが、10月中旬には北半球からの観察条件が良くなり、日没直後の西の低空で観察できるようになります。10月下旬になると日没後の高度は上がりますが急速に暗くなっていくでしょう。
彗星は輪郭のはっきりしないボヤっとした天体ですので、実際の等級よりも暗く見えます。なるべく、西の低空の開けた空の暗い場所で観察しましょう。肉眼級に明るくなる可能性もありますが、双眼鏡か望遠鏡の低倍率での観察がおすすめです。
(佐賀市の日没 17:40頃)
彗星の情報は日毎に変わることが予想されます。最新の情報は、ニュース報道やインターネットを参照してください。彗星の明るさは2024年9月26日現在2~3等の報告があります。
10月19日(土) 紫金山・アトラス彗星観察会 紫金山-アトラス彗星が10月中旬に地球に接近し、日没後の夕空に観察できる可能性があります。彗星は尾をひく姿からほうき星とも呼ばれています。 ※ 天候不良時は説明会のみ行います。時間:17:30~ 彗星説明会 / 18:00~19:30 彗星観察会 対象:どなたでも 100名(無料・要予約) 受付:下記の申込フォームより ※締切 10月18日(金) 紫金山-アトラス彗星観察会 申し込みフォーム |