おもしろ自然観察/2020年夏

カササギ(カチガラス)は七夕の鳥

カササギは、黒いカラスよりひと回り小ぶりで、胸とお腹が白く尾が長いの
が特徴です。佐賀ではカチガラスと呼ばれ親しまれている鳥です。冬から春
の子育てのころに、電柱や木に細枝で作った大きな巣を見かけます。
この鳥はサギとついてますが、実はサギの仲間ではなくカラス科の鳥です。
なぜか日本では、そのほとんどが佐賀平野を中心とした狭い範囲でしか見る
ことができません。このためカササギは生息地を定めた国の天然記念物に指定されており、佐賀県の鳥に定められています。ちなみに、佐賀県の木はクスノキ、県の花はクスの花です。
「カチカチ」という鳴き声からカチガラスとよばれ、佐賀では学校の校章や店や番組の名前など広く使われています。カチは勝ちに通じるので、サガン鳥栖のシンボルになっています。そもそもほぼ佐賀平野にしかいないのは、豊臣秀吉の朝鮮出兵の時に、佐賀藩や柳川藩が縁起の良い鳥だというので持ち帰ったの
がルーツだ、という説が有力だそうです。(朝鮮半島でもカチと呼びます。)
ところで7月7日・七夕の日に、天の川で分けられた織姫と彦星がどのようにして会うのか知っていますか?カササギが集まって橋をかけた、というのが本来の七夕伝説です。しかし、カササギたちが羽を広げて橋をかけた姿をイメージできるのは、日本では佐賀の人だけなのです。

解説:近藤昭(佐賀市星空学習館 館長)