2020年4月の星空

★2020年 4月の星空
日没後の西の空、金星が一番星として、ひときわ明るく目立っています。4月下旬には、最大光度となり、ますます明るく輝いて見えます。望遠鏡では月のように満ち欠けをして見える金星は、現在、半月より欠けた形に見えています。
北の空には、北斗七星が輝いています。7つの星が水を汲むひしゃくの形に並んでいます。北斗七星のひしゃくの持ち手のカーブを南へ延ばした先、頭の上あたりに、オレンジ色の明るい星が見つかります。うしかい座の1等星アルクトゥールスです。さらにカーブを延ばすと、南の空で今度は白っぽい星が見つかります。これはおとめ座の1等星スピカです。この曲線を春の大曲線と呼びます。スピカを超えて、さらにカーブを延ばした先に4つの星が台形に並んだところが見つかるでしょうか。ここがからす座です。真っ黒なからすの姿は夜空では見えず、からすをはりつけているピンだけが光って見える、という神話があります。
また、アルクトゥールスとスピカ、そしてしし座の尻尾の星デネボラを結ぶと、春の大三角ができます。デネボラは2等星なので、少し見つけにくいかもしれません。
春の夜空には、冬に比べて明るい星が少なくなりますが、おとめ座の方向や、かみのけ座の方向にはさまざまな銀河が隠れています。銀河は星座の星に比べて、けた違いの遠い場所にあるために暗く、望遠鏡でもなかなか見るのが難しいのですが、遠くの宇宙を見やすい星空でもあります。晴れた夜は望遠鏡で宇宙をのぞいてみてくださいね。
★ ぜひ探してほしい星たち
しし座 裏返しの「?」が頭で、ライオンの姿がよくわかる星座です。
【レグルス】しし座の胸で輝く1等星で、太陽の通り道にあり、ロイヤルスターとも呼ばれます。
【M44プレセペ星団】かに座の真ん中あたりにある星の集まり(散開星団)です。双眼鏡で見ることができます。
【北斗七星】北の空高く、7つの星がひしゃくの形にならんでいます。
【春の大三角】うしかい座のアルクトゥールス、おとめ座のスピカ、しし座のデネボラを結んでできる三角形です。
春の大曲線と大三角
      最大光度の金星
★ 4月の天文現象とこよみ
1日 上弦の月 日没時に半月が南の空で輝きます。
3~4日 金星がプレアデス星団に侵入 宵の明星・金星がおうし座のプレアデス星団(すばる)に侵入します。
4日 清明(せいめい) 二十四節気の1つで、「草木が芽吹き、花が咲くころ」とされます。
8日 満月 月の明るい夜です。
本年最近の満月 月が35.703万kmの距離にあり、本年で最も大きな満月となります。
15日 下弦の月 夜明けの頃、南の空で半月が輝きます。
19日 穀雨(こくう) 二十四節気の1つで、「穀物にとって恵の春雨が降るころ」です。
23日 新月 月明かりのない夜です。
22日 こと座流星群が見ごろ 未明の空で流星群が比較的見やすくなります。1時間あたり5個程度の出現と予測されています。
28日 金星が最大光度 夕空の一番星の金星が、-4.5等級もの明るさになります。
★ 惑星
・ 水星は明け方の東の空で高度が低く、観察は難しいでしょう。
・ 金星は宵の明星として日没後の西の空で明るく輝いています。明るさは-4.4~-4.5等級で、28日には最大光度となります。
・ 火星はやぎ座を移動し、夜明け前の南東の空で、明るさは0.8~0.4等級です。
・ 木星は、日の出前の南東~南の空にあり、明るさは-2.1~-2.3等級です。
・ 土星は日の出前の南東の空、明るさは0.7~0.6等級です。
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