★2021年 4月の星空情報
冬の星座は西の空に大きく傾き、春の星座へとバトンタッチをする季節です。天頂付近には しし座 が、北の空高く おおぐま座があります。おおぐま座の一部が北斗七星です。北斗七星の柄のカーブを伸ばしていくと、うしかい座のアルクトゥルス,おとめ座のスピカに達し、これを 春の大曲線 と呼びます。スピカを超えて、さらにカーブを延ばした先に4つの星が台形に並んだところが見つかるでしょうか。ここがからす座です。真っ黒なからすの姿は夜空では見えず、からすをはりつけているピンだけが光って見える、という神話があります。アルクトゥルス,スピカ,しし座のデネボラ で形作れる大きな正三角形は 春の大三角 です。
春の夜空には、冬に比べて明るい星が少なくなりますが、おとめ座の方向や、かみのけ座の方向にはさまざまな銀河が隠れています。銀河は星座の星に比べて、けた違いの遠い場所にあるために暗く、望遠鏡でもなかなか見るのが難しいのですが、遠くの宇宙を見やすい星空でもあります。晴れた夜は望遠鏡で宇宙をのぞいてみてくださいね。
★ ぜひ探してほしい星たち
しし座 | 裏返しの「?」が頭で、ライオンの姿がよくわかる星座です。 |
レグルス | しし座の胸で輝く1等星で、太陽の通り道にあり、ロイヤルスターとも呼ばれます。 |
M44プレセペ星団 | かに座の真ん中あたりにある星の集まり(散開星団)です。双眼鏡で見ることができます。 |
北斗七星 | 北の空高く、7つの星がひしゃくの形にならんでいます。 |
春の大三角 | うしかい座のアルクトゥルス、おとめ座のスピカ、しし座のデネボラを結んでできる三角形です。 |
★ 4月の天文現象とこよみ
4日 | 下弦の月 | 夜明けの頃、南の空で半月が輝きます。 |
4日 | 清明(せいめい) | 二十四節気の1つで、「草木が芽吹き、花が咲くころ」とされます。 |
12日 | 新月 | 月明かりのない夜です。 |
17日 | 土用 | 春の土用。雑節のひとつで、立夏の前の頃です。 |
17日 | 月と火星が接近 | 月齢5の月と火星がおうし座で接近します。 |
19日 | 月面Xが見られる | 上弦の月の頃に、月の明暗境界線付近に「X」の字が浮かびます。
今回の中心時刻21時10分頃(観望会は行いません) |
20日 | 上弦の月 | 日没時に半月が南の空で輝きます。 |
20日 | 穀雨(こくう) | 二十四節気の1つで、「穀物にとって恵みの春雨が降るころ」です。 |
22日 | こと座流星群が見ごろ | 未明の空で流星群が比較的見やすくなります。今年は、月明かりが邪魔をするため条件は良くありません。1時間あたり5個程度の出現と予測されています。 |
27日 | 満月 | 月の明るい夜です。 |
29日 | 昭和の日 | 国民の祝日です。 |
★ 惑星
・水星は4月19日に外合となり、太陽の方向と重なるために観察に適しません。
・金星は3月26日に外合となったばかりで、4月もまだ太陽に近く観察に適しません。宵の明星として観察しやすくなるのは6月頃からです。
・火星はおうし座で下旬にはふたご座に入ります。日没後の西の空に見られますが、徐々に太陽に近づき観察条件は悪くなります。7月末までは夕空に観察できます。明るさは、1.4等です。
・木星は、明け方の南東の空です。やぎ座から月末にはみずがめ座に入ります。明るさは-1.9~-2.1等級です。
・土星は明け方の南東の空で。やぎ座に見られます。4月7日の明け方には、月と木星との集合が見られます。