おもしろ自然観察/2020年冬

天体望遠鏡はタイムマシーン?!

夜空を見上げるとたくさんの星たちが、いろいろな顔を見せてくれています。若い星は青白い色、お年寄りの星は赤っぽい色を見せています。体の大きな明るい星、小さくてかわいい星などいろいろです。
そこで星たちに「おーい、みんな!」と声をかけたとします。ふつうお祭り広場で声をかければ人びとはふり向きます。ところが星たちはふり向きません。
なぜなら、この世で一番早い光や電波で呼びかけても届くのに何十年や何万年もかかるほど、星たちは遠くにいるからです。ということは、私たちが今見ている星の姿は、何十年や何万年かかってやっと届いた姿なのです。つまり、私たちは何十年や何万年昔の星たちの姿を今いちどに見ているのです。望遠鏡は、目では見えない遠くの暗い星たちを見せてくれますが、それは遠い過去の宇宙の姿を見せてくれるタイムマシーンのようなものなのです。いま世界の天文学者たちは、筒の太さが30mの望遠鏡を作って、130 億年以上昔に宇宙で最初に生まれた星や銀河を見つけようとしています。

オリオン座
オリオン座

…「おもしろ自然観察」アーカイブ
2020年夏  「カササギ(カチガラス)は七夕の鳥」
2020年秋  「松ぼっくりの不思議なかたち」
2020年冬  「天体望遠鏡はタイムマシーン?!」