★2021年 3月の星空情報
にぎやかな冬の星たちは西の空に傾き、東の空から春の星たちが昇ってきました。裏返しの「?」の星の並びが南東の空で見つかるでしょうか。これが星占いでもおなじみのしし座の頭の部分です。しし座の胸には、1等星のレグルスが輝いています。レグルスは、太陽の通り道にある1等星でロイヤルスターとも呼ばれます。
北の空には、北斗七星が昇ってきました。7つの星がひしゃくの形に並んだところです。秋から冬の間、北斗七星は地平下に隠れていましたが、春になるとまた見られるようになりました。北斗七星は、おおぐま座のおしりからしっぽにかけての星の並びで、北極星を見つける目印にもなります。おおぐま座は、全天88個の星座の中で3番目に大きな星座です。ちなみに、2番目に大きな星座はおとめ座で、4月ごろに見られるようになります。そして、1番大きなうみへび座も、頭の部分はもう顔をだしています。
明るい星が多かった冬に比べると、春の星空は少し落ち着いた感じになりますが、大きな星座トップ3がそろう春の夜空を楽しんでくださいね。
★ ぜひ探してほしい星たち
火星 | 赤い色をした惑星です。2~7日頃、すばると接近します。 |
ふたご座 | 同じくらいの明るさの星が2つ仲良く並んでいます。1等星のポルックスと2等星のカストルで、ふたごの頭で輝く星です。カストルは、肉眼では1つ、望遠鏡では2つにわかれてみえる星です。 |
オリオン座 | 仲良く並んだ三ツ星と、それを囲むように4つの星が長方形に並んでいます。1等星のベテルギウスとリゲルがあり、とても目立ちます。 |
しし座 | 裏返しの「?」が頭で、ライオンの姿がよくわかる星座です(写真参照)。 |
M44プレセペ星団 | かに座の真ん中あたりにある星の集まり(散開星団)です。双眼鏡で見ることができます(写真参照)。 |
北斗七星 | 7つの星がひしゃくの形にならんでいます。 |
★ 3月の天文現象とこよみ
5日 | 啓蟄(けいちつ) | 二十四節気の1つで、「冬ごもりしていた土の中の虫たちが出てくる頃」とされています。 |
6日 | 下弦の月 | 夜明けの頃、南の空で半月が輝きます。 |
6日 | 水星が西方最大離角 | 明け方の東の空で、水星が太陽から最も離れて見られます。 |
2~7日 | 火星がすばるに接近 | 火星が夜空を動く過程で、2~7頃、すばるの南側を通り抜けます。 |
13日 | 新月 | 月明かりのない夜です。 |
20日 | 春分(しゅんぶん) | 二十四節気の1つで、太陽が真東から昇り、真西に沈む日です。 |
21日 | 上弦の月 | 日没時に半月が南の空で輝きます。 |
29日 | 満月 | 月の明るい夜です。 |
★ 惑星
・水星は6日に西方最大離角となります。明け方の東の空で観察の好期となります。
・金星は26日に外合で、太陽の方向と重なるため観察できません。
・火星はおうし座を順行中です。動きが早く、2ケ月でおうし座を横断します。明るさは0.9~1.3等級です。
・木星は日の出前に地平線から出て、明け方まで観察できます。明るさは-1.8~-1.9等級です。
・土星は日の出前に木星とほぼ一緒に南東の空に昇ります。明るさは0.7~0.8等級です。