2024ほしぞら通信/秋

伝統的七夕&スピカ食 観察会

スピカ食の様子 撮影:古川隆徳(佐賀天文協会)
 伝統的七夕とは、旧暦7月7日のことを指します。この日の月は必ず上弦前の船の形をした月となります。今年8月10日(土)は旧暦七夕で、この美しい月がおとめ座の一等星スピカを隠す珍しい天文現象「スピカ食」も見られました。
 学習館ではこの夜に、伝統的七夕を紹介しスピカ食を楽しむ会を開催しましたところ、なんと80名もの方々がお越しくださいました。まず七夕と天文現象の解説を聞いて頂き、いよいよスピカ食の観察です。スピカは「真珠星」の和名を持つ純白の美しい星です。しかし、一等星スピカといえど明るい月の傍らでは、よほど目が良くないと見られません。学習館で屋外に2台と天文台の望遠鏡、計3台にモニターをつないで、みんなで観察するパブリックビュー式で案内しました。
 月が少しずつスピカに近づくのを今か今かと見つめます。そして会場のみんなでカウントダウン。もう瞬きもできません。「30、29,28、….3,2、1 消えた!」。見事に予報通りの時刻にスピカは月に隠されました。さらに約40分後にスピカは月の明るい側から現れてスピカ食は終了しました。
星食は宇宙が生きていることを感じる天文現象です。ご来館のお客さま、ぞんぶんに楽しんで頂けたようです。
観察会の様子

執筆: 早水勉(佐賀市星空学習館)

…「ほしぞら通信」アーカイブ
2022年夏 「4~5月 明け方の惑星の大集合」
2022年秋 「七夕まつりー伝統の節句行事―」
2022年冬 「皆既月食&天王星食観察会」
2023年夏 「大人もハマる!ながーい時間飛ぶ折り紙ヒコーキ作り」
2023年秋 「ペルセウス座流星群をみようinひがさす/8月13日(日)」
2023年冬 「四目(よんもく)釣りで楽しめた「ハゼ釣りとむつごろう観察」」
2024年夏 日食遠征報告「19回目の皆既日食」
2024年秋 「伝統的七夕&スピカ食」観察会

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