★2025年1月の星空情報
秋の星座が西に大きく傾き、冬の星々が主役となって輝きます。南の空に高く、仲良く並んだ3つの星と、それを囲むように4つの星が長方形をつくっているところがオリオン座です。全天88星座の中でも最も覚えやすく、見つけやすい星座といえます。オリオン座には1等星が2つあり、1つは赤く輝くベテルギウス、もう1つは青白く輝くリゲルです。そして、オリオン座の三ツ星の下には、M42オリオン大星雲があります。肉眼でもぼんやりと雲のような星雲を見つけることができ、双眼鏡や望遠鏡ではさらに美しい姿を楽しめます。
オリオンの三ツ星を右斜め上に伸ばした先に、オレンジ色の明るい星が見つかります。おうし座の1等星アルデバランです。アルデバランを過ぎて、さらに伸ばしたその先には、5~6個の星が集まって見える、M45すばるも輝いています。
東の空、低いところに、ひときわ明るく、ギラギラと輝く星が昇ってきました。おおいぬ座の一等星シリウスです。全天で21個ある1等星の中で最も明るく輝いてみえる星です。シリウス、オリオン座のベテルギウス、そしてこいぬ座のプロキオンを結ぶと、冬の大三角ができます。冬の大三角も東の空から昇ってきています。冬の星空には、明るい星も多く、見やすい星雲や星団もたくさんあります。
この一月は惑星がにぎやかです。宵の明星として金星が圧倒的な明るさで輝きます。金星は10日に東方最大離角です。火星が2年ぶりに12日に地球に最接近します。木星も引き続き観察好機です。
★ ぜひ探してほしい星たち
すばる(M45) | おうし座の肩のあたりにある星団です。肉眼で5~6個の星が集まってみえる場所です。 |
オリオン座 | 仲良く並んだ三ツ星と、それを囲むように4つの星が長方形に並んでいます。一等星のベテルギウスとリゲルがあり、とても目立ちます。 |
オリオン大星雲M42 | オリオン座の三ツ星の下、ぼんやりと雲のような部分がオリオン大星雲M42です。双眼鏡や望遠鏡では、鳥が翼を広げて飛ぶような形に見えます。 |
シリウス | おおいぬ座の一等星です。-1.5等級という明るさで、一等星の中で最も明るく輝いて見えます。 |
金星 | 日没直後の西の空に圧倒的な明るさで輝きます。「宵の明星」とも呼ばれます。10日に東方最大離角です。 |
火星 | 赤く輝く惑星です。12日に2年ぶりに地球に最接近します。この頃を中心に観察の最好機です。 |
木星 | 日没後に天頂付近にあって、未明まで観察できます。おひつじ座で-2 等の明るさで輝きます。望遠鏡では、4つのガリレオ衛星や縞模様を観察できます。 |
★1月の天文現象とこよみ
1日 | 元旦 | 国民の休日です。 |
4日 | しぶんぎ座流星群がピーク | 今年は、極大のピーク時刻が4日0時頃で、放射点は低く、あまり多くの出現は期待できません。 |
5日 | 小寒(しょうかん) | 二十四節気の1つで、小寒に入る日を「寒の入り」とも言います。 |
8日 | 木星が衝 | 地球との距離が近くなり観察の好期です。 |
7日 | 上弦の月 | 18時頃、海王星が月に隠されます。 |
10日 | 金星が東方最大離角 | 金星が最も空高く見られる時期です。 |
12日 | 火星が最接近 | 火星が2年2カ月ぶりに地球に接近します。 |
13日 | 成人の日 | 国民の休日です。 |
14日 | 満月 | 月の明るい夜です。 |
16日 | 火星が衝 | 火星が太陽と反対の位置に来ます。観察の好機です。 |
20日 | 大寒(だいかん) | 二十四節気の1つで、寒さが最も厳しい頃とされています。 |
22日 | 下弦の月 | 夜明けの頃、南の空で半月が輝きます。 |
29日 | 新月 | 月明かりのない夜です。 |
29日 | 旧正月 | 旧暦の元旦です。 |
★惑星★
・ 水星は、月初は日出前の低空で見られますが、その後は太陽に近く観察できません。明るさは -0.4~-0.9等級です。
・ 金星は、1月10日に東方最大離角となり観察の好期。宵の明星として、夕方の西空で強烈に明るく輝きます。明るさは-4.5~-4.8等級です。
・ 火星は、2年2カ月ぶりに12日に地球に最接近し観察の絶好機です。一晩中観察できます。明るさは -1.2~-1.1等級です。
・ 木星は、日没後の東の空高く金星についで明るく輝きます。明るさは-2.6~-2.4等級です。
・ 土星は、日没後の西の低空で観察条件は良くありません。明るさは1.1等級です。