2024 科学よもやま話/冬

スズメのお宿は?


「一番身近な野鳥は?」と聞かれたらスズメ、ツバメ、カラス、ハトと大半の人が答えます。
昔からスズメは馴染み深く、民話や童謡にもしばしば登場します。
スズメは人と供に生きて来た野鳥です。人が居なくなった集落ではスズメも消えます。
そんなスズメが絶滅危惧種Ⅱ類の条件を満たしてしまったことを知ってますか?
原因は色々あります、都市化により巣を作る場所が減った・稲作が減り野菜栽培移行で餌が減った・ネオニコチノイド系農薬で昆虫が消えた・云々、あります。
スズメだけではありませんツバメは10年間で60%に減りました。
身近な鳥でそうですから、他の野鳥達も危機的状況のあることは想像に難くないでしょう。
特に、里山や農地草地・湿地などの開けた環境に生息する鳥達に起きていることです。
これらは「里山の荒廃」「稲の害虫駆除に使われる農薬の影響」「気候変動による気温上昇」と考えられています。
スズメも鳴かない、ツバメも飛ばない、鳥も虫も魚も居ない世界を、未来の子供に残そうと私たちはしています。
私たち一人ひとりが関心を持ち、行動することが求められます。
まずは、食品の無駄をなくす、緑地を増やす、除草剤を使わない、出来ることから!

執筆:宮原明幸(日本野鳥の会 佐賀支部)
日本野鳥の会 佐賀支部 webサイト

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