2022年11月8日(水)皆既月食と天王星食を観察しよう

二度と見られない天文現象!

2022年11月8日(水)
皆既月食と天王星食を観察しよう

11月8日宵、全国で皆既月食が見られます。
過去に佐賀市で観察できたのは2014年が最後でした。
今回を逃すと3年後の2025年9月8日まで待つことになります。

★過去の皆既月食★ ★佐賀市西与賀町での観察記録★
2010年12月21日(月出帯食) くもり・皆既雲間から観察○
2011月6月16日(全行程) 雨・観察不可×
2011月12月10日(全行程) 快晴・観察成功◎
2014年10月8日(全行程) 快晴・観察成功◎
2015年4月4日(全行程) 天候不良のため観察不可×
2018年1月31日(全行程) 曇り・皆既見れず△
2018年7月28日(月入帯食) 天候不良のため観察不可×
2021年5月26日(月出帯食) 雨・観察不可×

今回は皆既月食中の月に天王星が隠される現象も起ります。今世紀中は月食中に見られる惑星食はなく、生涯に一度の天文現象となることでしょう。
月食は肉眼でも観察できますが、
天王星を観察するには双眼鏡や望遠鏡が必要です。皆既月食とともに天王星食の観察にもぜひチャレンジしてみましょう。 印刷用資料のダウンロード

2014年10月08皆既月食_地球の影と天王星(撮影:佐賀天文協会 草野敬紀)
皆既月食と天王星食の進行(佐賀市の場合)
皆既月食の予報
(月の出以外は全国同じ)
天王星食の予報
(場所により時間は異なります)
17時13分 月の出(佐賀)
18時09分 部分食の始まり
19時16分 皆既食の始まり
19時59分     皆既食の最大(食分1.4) 20時21分49秒 皆既月食中に潜入
20時42分 皆既食の終わり 21時15分55秒 部分月食中に出
21時49分 部分食の終わり

皆既月食
今年の皆既月食は、17時13分に東の空から月が昇り、50分後の18時09分から満月が欠けて見え始めます(部分食はじまり)。
19時16分から20時42分の1時間半ほど皆既食の状態が続きます。
皆既食の時には、満月が赤暗くみえます。一番暗くなるのは19時59分です(食の最大)。
20時42分から欠けた部分が少しずつ小さくなり、21時49分頃には元の満月に戻ったように見えますが、いつもの明るい満月に戻るのは、半影食が終わる22時57分頃です。

天王星食
月が夜空を運行する過程で、ごくまれに惑星を隠すことがあります。これを「惑星食」と呼びます。今回の月食の起こるほぼ同じ時間帯に、月が天王星を隠す「天王星食」が起こります。天王星に限らず、惑星食自体がとてもまれな天文現象で、日本で、2022年~2025年に好条件は、わずかに2現象しか起こりません。そのひとつが、この11月8日の天王星食で、しかもそれが月食中に起こってしまうのですから、まさに奇跡の天文現象です。今世紀中は月食中に見られる惑星食はなく、生涯に一度の天文現象となることでしょう。天王星は小さく暗いために肉眼で観察することは難しく、双眼鏡や望遠鏡での観察がお勧めです。

月食ってなに?
月が地球の影に完全に入る現象が皆既月食です。(今回は一部なので部分月食)
満月の日に、太陽ー地球ー月が一直線に並ぶと月食がおきます。
月が地球の影の中を通りすぎるとき、満月はだんだんと欠けていき、完全に影の中に入り、また元の月に戻っていきます。
月食の時は、地球の大気で屈折した赤い光が月をほんのりと照らすので、完全に見えなくはなりません。

月食の起こる原理(出典:星空の教科書(技術評論社)) 皆既月食全過程

半影月食ってなに?
影には本影と半影があります。濃ゆい影が本影、薄い影が半影です。
本影を通り過ぎたとき部分月食が終わりますが、月はまだ薄暗いです。
いつもの明るい月に戻るのは、半影食が終わる21時04分です。
半影食は、肉眼ではほとんど分かりません。双眼鏡や望遠鏡で観察するか、カメラで撮影をすると薄暗くなっていることがわかります。

おうちで皆既月食観察

■場所
昇ったばかりの低い月を観察します。そのため、南東の地平線が開けた場所が観察しやすいです。月は低いので、月と景色を一緒に撮影することもできます。

■星空観察にあると便利なもの
懐中電灯に赤いセロハン(布)を貼るのは、暗さに慣れた目を刺激しないためです。お腹がすいたときのための甘いお菓子や飲み物も星空観察をより楽しくしてくれます。 2022年11月の星図はこちらをクリック

察の方法

①肉眼
月食観察は、肉眼でも月の変化が分かります。

②双眼鏡・望遠鏡で観察
双眼鏡や望遠鏡を使うとより細やかな変化が分かります。
月が欠けるにつれ、周りに暗い星が見えてくるようすもはっきりと分かります。
今回は、月のすぐそばにある天王星の位置にも注目です!
三脚を使用すると手振れが無くじっくりと観察することができます。
三脚が無い場合は、脇を締める、肘をつく、壁に体を預けるなど工夫をすると見やすくなります。

③記録を残そう
観察した時刻、観察方法、観察結果、気付いたことなどを記録しましょう。
月がどこまで欠けたのかは、月の模様をヒントに確認すると分かりやすいです。
どんな色に見えたか、色鉛筆やクレヨンで記録するのも良いでしょう。
望遠鏡や双眼鏡で観察する方は天王星の位置も記録しましょう。


皆既月食のみ観察される方向け用紙
(国立天文台提供)
天王星食も観察される方向けの用紙
(佐賀市星空学習館提供)

皆既食中の月の色は、地球の大気中の塵や雲などの影響を受け、月食の度に微妙に異なります。大気に粒子が多いほど暗い色になります。今回の皆既中の月はどのように色づくでしょうか。
フランスの天文学者ダンジョンは、独自に「ダンジョンの尺度」という色の目安を用いて月食の色を調べました。これのスケールを参考に色を確認してみましょう。


提供:国立天文台

④双眼鏡+スマホorコンデジで撮影をする
意外にも双眼鏡を使えば月の撮影をすることができます。
星空学習館で作った手作り望遠鏡でも同じ方法で撮影できます。
ー方法ー
①双眼鏡を三脚で固定します。
②双眼鏡に月を導入します。
③双眼鏡の片側ののぞき穴(接眼部)に、カメラのレンズを合わせます。
※白っぽい光が月です。月を中心に合わせます。
※じっと待つと露出を自動調整してくれる機種が多いです。
④シャッターを押します。
※画面上のシャッターボタンでは無く、側面にあるボタンを押すと手振れしにくいです。

特別観望会  -皆既月食観察会-
日時:2022年11月19日(金) 17:30~20:50
①17:30~説明会  ②18:00~観察開始
※開催時間途中でのご参加や途中退出は自由です。
募集:どなたでも
参加費:無料(要申込)
受付:イベント申し込みフォームもしくは、往復はがきに、代表者氏名・電話番号・参加者全員の学年・学校区を明記の上、佐賀市星空学習館へお申し込みください。
皆既月食観望会 申し込みフォーム

全国皆既月食ライブ中継

全国の天文台でライブ中継が行われる予定です。
天候不良・外出できない時は、ライブ中継で楽しみましょう!

日本公開天文台の特設ページ内にリストが用意される予定です。
(10月7日時点ではまだ用意されていませんでした。
より詳しい月食の説明も記載されています。
【2021-2022 今世紀最大の月食・惑星食キャンペーン】
http://www.koukaitenmondai.jp/campaign/lunar-eclipse2021_2.html

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