★2023年4月の星空情報
冬の星座は西の空に大きく傾き、春の星座へとバトンタッチをする季節です。天頂付近には しし座 が、北の空高く おおぐま座があります。おおぐま座の一部が北斗七星です。北斗七星の柄のカーブを伸ばしていくと、うしかい座のアルクトゥルス,おとめ座のスピカに達し、これを 春の大曲線 と呼びます。スピカを超えて、さらにカーブを延ばした先に4つの星が台形に並んだところが見つかるでしょうか。ここがからす座です。アルクトゥルス,スピカ,しし座のデネボラ で形作れる大きな正三角形は 春の大三角 です。
春の夜空には、冬に比べて明るい星が少なくなりますが、おとめ座の方向や、かみのけ座の方向にはさまざまな銀河が隠れています。銀河は星座の星に比べて、けた違いの遠い場所にあるために暗く、望遠鏡でもなかなか見るのが難しいのですが、遠くの宇宙を見やすい星空でもあります。晴れた夜は望遠鏡で宇宙をのぞいてみてくださいね。
2023年の春は、日没後の西の空高く宵の明星(金星)が圧倒的な明るさで輝いています。4月12日頃を中心に水星も金星の下の方に見られ、観察のチャンスです。
★ ぜひ探してほしい星たち
しし座 | 裏返しの「?」が頭で、ライオンの姿がよくわかる星座です。 |
レグルス | しし座の胸で輝く1等星で、太陽の通り道にあり、ロイヤルスターとも呼ばれます。 |
M44プレセペ星団 | かに座の真ん中あたりにある星の集まり(散開星団)です。双眼鏡で見ることができます。 |
北斗七星 | 北の空高く、7つの星がひしゃくの形にならんでいます。 |
春の大三角 | うしかい座のアルクトゥルス、おとめ座のスピカ、しし座のデネボラを結んでできる三角形です。 |
★4月の天文現象とこよみ
5日 | 清明(せいめい) | 二十四節気の1つで、「草木が芽吹き、花が咲くころ」とされます。 |
6日 | 満月 | 月の明るい夜です。 |
12日 | 水星が観察の好期 | この頃を中心に一週間ほど日没後の西の空で見られます。 |
13日 | 下弦の月 | 夜明けの頃、南の空で半月が輝きます。 |
17日 | 土用 | 春の土用。雑節のひとつで、立夏の前の頃です。 |
20日 | 穀雨(こくう) | 二十四節気の1つで、「穀物にとって恵みの春雨が降るころ」です。 |
20日 | 新月 | 月明かりのない夜です。 |
23日 | こと座流星群が見ごろ | 未明の空で流星群が比較的見やすくなります。 |
28日 | 上弦の月 | 日没時に半月が南の空で輝きます。 |
29日 | 昭和の日 | 国民の祝日です。 |
★惑星★
・ 水星は、12日に東方最大離角となり、夕方の西の低空で観察好期となります。明るさは-1.1等です。
・ 金星は、日没後の西の空で、宵の明星としてどの星よりも圧倒的に輝きます。明るさは-4.0~-4.2等です。
・ 火星は、日没後の天頂付近で赤く輝いています。明るさは1.0~1.3等です。
・ 木星は、12日に合で太陽に近く観察に適しません。
・ 土星は、5月の合を控えて太陽に近く観察に適しません。