彗星・宇宙からの旅人
2024年10月終わりから11月にかけて、遥々宇宙の彼方から久しぶりの肉眼彗星、紫金山・アトラス彗星がやってきました。この彗星は、中国・南京近郊の紫金山天文台と南アフリカのアトラス天文台にて発見されたものです。佐賀市星空学習館でも複数回の観望会を行い、多くの参加者に来館いただきました。また来年1月には、同名のアトラス彗星(C/2024G3)が回帰しますが、この彗星はサングレーザーと呼ばれる太陽に非常に接近する彗星で、近づき過ぎて、崩壊または消滅するか、生き残って大彗星になるか、大変楽しみな彗星です。
今回の紫金山・アトラス彗星の観望会は特に時代の流れを感じさせる現象となりました。天体写真の撮影には多くの機材と特殊な技術が必要でしたが、最近のスマホには一時代前までには考えられないような機能があり、一般の方でも簡単に彗星を含めた天体写真を撮影する事ができるようになってきました。私が星に興味を持ったのは、1965年に発見された池谷・関彗星を見た時からで、大変衝撃を受け60年経った今でも星の世界に浸っております。来年のアトラス彗星がどうなるかは未知ですが、彗星の壮大な姿をご自分のスマホに残せる可能性があるので、今からスマホ操作に慣れて頂き是非チャレンジしてください。
執筆:副島勉(佐賀市星空学習館館長)
…「ほしぞら通信」アーカイブ…
2022年夏 「4~5月 明け方の惑星の大集合」
2022年秋 「七夕まつりー伝統の節句行事―」
2022年冬 「皆既月食&天王星食観察会」
2023年夏 「大人もハマる!ながーい時間飛ぶ折り紙ヒコーキ作り」
2023年秋 「ペルセウス座流星群をみようinひがさす/8月13日(日)」
2023年冬 「四目(よんもく)釣りで楽しめた「ハゼ釣りとむつごろう観察」」
2024年夏 日食遠征報告「19回目の皆既日食」
2024年秋 「伝統的七夕&スピカ食」観察会
2024年冬 「彗星・宇宙からの旅人」