2022年科学よもやま話/夏


オオキツネのカミソリ

6月から8月中旬までは、野でも山でも目立つ花はほとんどなくて、山歩きをしても暑さばかりが気になる厳しい季節です。そのような花の谷間と言える7月下旬~8月上旬に、県内の主な山の林床をオレンジ色に染めるのがオオキツネノカミソリです。多良岳、八幡岳、脊振山が特に見事で、これを見たくて登山する人が大勢います。多くは標高600m以上の沢沿いの落葉樹林下に生育していますが、多良山系では標高400mくらいから見ることができます。
オオキツネノカミソリはヒガンバナの仲間で、花の時期には葉はありません。早春から葉が伸び始め、最も茂る4月には30~40㎝になります。5月になると枯れ始め、花茎を伸ばす7月には葉は完全に地上から消えてしまいます。また、花は大変美しいのですが、ヒガンバナと同じリコリンと呼ばれる有毒物質を全草に含みますので注意が必要です。
執筆:上赤博文(佐賀自然史研究会)

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2021年秋    シリーズ<「ひっつき虫」とはどんな虫?>
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